早ければ早いほど良い
歯周病治療
歯周病は、歯科の三大疾患の一つで日本人に多い病気です。虫歯にならないよう歯を守る事も大切ですが、歯を支える歯ぐきもとても大切です。歯を支えている歯肉や顎の骨が、化膿したり破壊されりする病気です。歯周病は限度を越えてひどくなるとどんなに一生懸命に治療しても手遅れになります。
治療に早すぎるという事はありません。あまりひどくならないうちに完全に治療する事が重要です。歯周病は歯ぐきだけが腫れた状態となる歯肉炎(しにくえん)と、歯と歯ぐきをつないでいる部分が壊されたり、歯を支えている骨が壊される歯周炎(ししゅうえん)に分類されます。
それって歯周病のサインかも? 歯周病セルフチェック
- 朝起きると口の中がネバネバしている
- 歯みがきで歯ぐきから出血する
- 歯ぐきがむずがゆく、浮くような感覚もある
- 歯ぐきが赤く腫れている(健康時は薄いピンク色)
- 歯が長くなったような気がする
- 口臭が気になる(口臭を指摘された)
歯周病学会認定医と衛生士が在籍
当院には、歯周病学会認定医の歯科医師と、歯周病学会認定衛生士が在籍しており、歯周病でお悩みの患者さんの診療にあたっています。
歯周病について症例報告や学会参加を重ね深く学び、治療の高い技術を習得したスペシャリストが対応いたしますので、安心して治療を受けていただくことが可能です。
歯周病についてお悩みのことがありましたら、どうぞお気軽に当院にご相談ください。
歯周病になる原因
細菌
歯に付着するプラーク(歯垢)は細菌の塊です。わずか1mgのプラークに、約10億個の細菌が潜んでいるといわれ、歯周病の原因となる歯周病菌も含まれます。歯垢は時間の経過とともに、唾液中のミネラル成分と結合し、歯石となります。歯石は指や歯ブラシでは落とせません。また、歯石は細菌が増殖しやすい環境であり、歯周病を進行させる原因にもなります。
歯並び
歯並びが悪く、歯同士が重なるように生えている場合は歯みがきがしづらく、磨き残しが溜まりやすい傾向にあります。プラークや歯石による影響を受けやすく、細菌による歯ぐきの炎症が生じ、歯周病のリスクも高まります。
合っていない詰め物・被せ物
詰め物・被せ物の適合性が悪いと、天然歯とのつなぎ目に汚れが溜まりやすくなります。磨き残しを防ぐには、1本ずつの歯を丁寧に磨くことが重要です。
喫煙
喫煙は血管を萎縮させ、歯ぐきの血液量が減少します。これにより、白血球の防御反応の働きが鈍くなり、歯周病菌が増殖しやすい傾向になります。歯周病菌の毒素は歯を支える骨を溶かすため、最終的に抜歯しなければなりません。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしり・食いしばりの力は非常に強く、歯が欠けたり割れたりする恐れがあります。また、片側で噛むクセや歯の欠損を放置している場合も、一部の歯に多くの負担がかかる原因です。
その他の原因
遺伝・糖分過多な食生活・口呼吸・全身疾患(免疫力の低下や糖尿病)など、さまざまな原因から歯周病の発症・悪化を引き起こす可能性が考えられます。
歯周病の進行度と治療法
歯周病の発症による炎症で、歯ぐきが赤く腫れるようになります。炎症がさらに悪化すると、わずかな刺激でも歯ぐきから出血がみられます。次第に歯周病菌の毒素により、歯を支える歯槽骨も溶かされていき、歯がグラグラと動いて最終的に抜歯が必要になります。歯周病は自覚症状がほとんどないまま進行するため、歯や歯ぐきなどの歯周組織を守るには、早期発見・早期治療が大切です。
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第一段階
歯肉炎
歯肉部分に炎症が起こった状態です。歯肉が腫れ、歯と歯肉の間にある歯周ポケットにプラークが溜まりやすくなっています。
- 治療法
- 毎日の歯磨きや歯科医院でのクリーニングで改善します。
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第二段階
軽度歯周炎
歯周ポケットが深くなり、炎症が歯肉から内部に進行して顎の骨が少し溶け出した状態です。
- 治療法
- 毎日の歯磨きに加え、歯科医院での処置が必要です。
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第三段階
中度歯周炎
歯周ポケットがより深く4~6mm程度となり、顎の骨がさらに溶け出して歯を支えられなくなって歯がグラついてきます。
- 治療法
- 歯科医院での外科的処置と投薬による処置が必要です。
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第四段階
重度歯周炎
歯周ポケットが7mm以上になり、顎の骨が半分以上溶けた状態です。歯のグラつきがひどくなり、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
- 治療法
- 歯科医院での外科手術が必要です。顎の骨の再生治療を行い、歯が抜けた場合には入れ歯が必要になります。
歯周病と全身疾患
歯周病菌の悪影響は、お口の中だけにとどまりません。
歯周病が進行すると、歯周組織の血管から全身に細菌が運ばれるようになります。結果として、炎症を引き起こしたり、血栓ができやすくなったりします。
実際、歯周病が心臓病、糖尿病、肺炎など、様々な全身疾患のリスクを高めるといった研究結果が明らかになっています。
⼼臓⾎管疾患
重度の歯周病である場合、健康な方に比べて心臓血管疾患(心筋梗塞や狭心症など)のリスクが2倍以上に高まります。
糖尿病
糖尿病と歯周病には相互関係があります。糖尿病の患者さんは、歯周病を患っているケースも多いといわれております。近年の調査からは、歯周病治療により、血糖値が下がる傾向がみられると報告されています。
妊婦
妊娠中の歯周病は、早産や低体重児出産のリスクが高まります。アメリカの学会報告では、初産婦のリスクは7倍、経産婦では6倍といわれております。また、妊娠中はホルモン変化により、歯周病による炎症が悪化しやすいため注意が必要です。
その他
⾷道ガン・胃潰瘍・誤燕性肺炎・バージャー病などとの関連性もあるのではないかという説も出ています。
歯周病の治療方法
プラークコントロール
歯周病予防、治療共に基本となるのがプラークコントロールです。プラークコントロールとは歯周病の原因である歯垢(プラーク)の増殖を抑えることに重点を置いた予防、治療法で、正しい歯磨きの仕方や歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使用してプラークコントロールをする事が歯周病予防、治療の基本です。
スケーリング & ルートプレーニング
歯石・歯垢(プラーク)を除去し、再び付着しづらくする治療法がスケーリング&ルートプレーニングで、歯磨きでは取り除けない歯石はもちろん、取り除けていない歯垢(プラーク)を歯医者で除去することによって炎症が収まっていき、歯周ポケットの深さも浅くなりますので、歯周病の進行を抑え、症状の改善が期待 できます。
詰め物や被せ物の修正治療
詰め物や被せ物の不適合があると、歯垢(プラーク)が付着しやすく、歯磨きで除去する事が難しくなるため、詰め物や被せ物が合っているかを確認し、合っていなければ修正する治療が行われます。詰め物や被せ物が適合するようになるだけで、歯垢(プラーク)が付着しづらくなり、また付着した歯垢(プラーク)を取り除きやすくなるため、歯周病の進行を抑え、症状の改善が期待できます。
生活習慣の改善
病気、睡眠不足、ストレスを感じているときなど抵抗力が落ちているときは歯周病菌に感染しやすくなります。十分な睡眠、適度な運動、ストレス解消は歯周病を治療していくうえでも欠かせません。また、歯周病と関係の深い糖尿病にならないような食事、よく噛んで食べるなど食生活を見直す事も必要です。
歯周病は治療後の定期検診がとても大事
治療により歯周病が改善した後は、「予防」への取り組みが重要です。どれだけ丁寧に歯みがきをしても、わずかな磨き残しから歯垢や歯石が作られます。それらは歯周病の原因になりますが、セルフケアだけでは落としきれません。また、歯周ポケット内部や詰め物・被せ物周辺の汚れにも注意が必要です。
歯周病は自覚症状がほとんどないまま進行するため、歯科医院での定期的なメインテナンスを通じて、歯周病にならない清潔な口内環境の維持に努めましょう。お口と全身の健康は密接に関わりますので、ぜひ3ヶ月~4ヶ月に1回のペースで当院をご利用ください。